天衣無縫の画家 山入端一博 回顧展

「いっぱくさん」のまなざし



シリーズ1「若き日の作品〜ドローイング・スケッチ」

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1月30日〜2月15日

 画家 山入端一博が亡くなってから早や8年経ちます。
 
いっぱくさんは、戦前二中時代から本格的に絵を描き始めました。
戦争、復員、早稲田大学、奈良県での教員時代、
そして故郷後名護での教員時代と、精力的に作品を描き続けた一博さん。 
やんばる名護で絵画サークルや美術文化活動をリードし、平和運動にもまた熱心でした。 
天衣無縫の人柄に私たち後輩や教え子たちは尊敬と親しみを込めて「いっぱく先生」と呼び、
また彼は、世代を超えて気兼ねなく接していました。 
あのデイゴやキジムナー、馬、そして蒼い宇宙の作品群の記憶は鮮明に残っています。

 今回私たちギャラリーみんたまあは、「いっぱく先生」の膨大な作品群資料群を整理しつつ、
企画展『天衣無縫の画家 山入端一博 回顧展「いっぱくさん」のまなざし』を
年代別にシリーズ開催します。 
シリーズ1は「若き日の作品 〜ドローイング・スケッチ〜」と題して、
今回の企画は新たに確認することのできた戦前の貴重な作品を始め、
戦前、戦後すぐのドローイング・スケッチを中心とした構成になっています。
 「いっぱくさん」のまなざし(作品)を通して、
激動の時代とそこに生きた画家に想いを馳せる。
まずは若き日の「いっぱくさん」のまなざしを覗いてみましょう。

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年表

西暦 出来事・作品
1923年 大正12年 0 9月27日、那覇市、西新町に父:山入端隣次郎、母:花子の三男一女の次男として生まれる

1938年 昭和13年 15 樹禄展出品(那覇市)〜1940年
1939年 昭和14年 16 
「漫湖にむかって」、[窓より役所のtower方面を望む」
1940年 昭和15年 17
1941年 昭和16年 18 沖縄県立第二中学校卒業 比嘉景常先生に学ぶ
1942年 昭和17年 19 早稲田大学第一高等学院文学科(独文)入学
       本郷絵画研究所などで絵画研究
       (本郷絵画研究所1912-1925 岡田三郎助・藤島武二 本郷区春木町)
       6月、三浦一衛と知りあう
      
若き日の自画像、自画像
1943年 昭和18年 20 8月労働奉仕隊として樺太へ一ヶ月ほど鉄道工事
      太平洋戦争に召集(第一次学徒動員令)、10月に一時帰沖
      12月宮崎県都城、西部17部隊へ入隊
1944年 昭和19年 21
1945年 昭和20年 22 終戦、鹿児島の塩田で働く
1946年 昭和21年 23 10月14日上京、10月下旬三浦一衛の戦死を知る。
1947年 昭和22年 24 
僕の遺作展へようこそ
        南灯寮〜昭和25年まで
1948年 昭和23年 25 
僕が描いた絵なのですよ
      大和の田園風景
      ヨオー生きているかい
      君の名は!?

1949年 昭和24年 26 日本美術会へ入会
      
俺の瞳を見ろ
1950年 昭和25年 27 第3回日本アンデパンダン展出品
      
男の像
1951年 昭和26年 28 第4回日本アンデパンダン展出品
      早稲田大学政経学部経済学科卒業
      奈良県立桜井高校)へ就職
        社会科(歴史)を教える
      教職の傍ら絵画研究・制作、グループ展・個展で作品発表
1952年 昭和27年 29
1953年 昭和28年 30 
初めて戦後沖縄へ帰った時1,2
       戦後、初めての帰郷
1954年 昭和29年 31
1955年 昭和30年 32



1971年 昭和46年 48
1972年 昭和47年 49 沖縄日本復帰
1973年 昭和48年 50
1974年 昭和49年 51
1975年 昭和50年 52 沖縄の高校に転勤、名護市に住む
      第三回やんばる展「油彩画20号」出品 以降晩年まで出品
1976年 昭和51年 53 第四回サロン・デ・ボザール展 大賞受賞
1977年 昭和52年 54 サロン・デ・ボザール スイス展(日本アマチュア100人展)
      ジュネーブ振興会賞受賞 第一回個展(沖縄物産センター画廊)
1978年 昭和53年 55
1979年 昭和54年 56 やんばる絵画同好会会長(1985年まで) 後に「名展」に改名
      地域の美術運動を推進
1980年 昭和55年 57 第一回やんばる絵画同好会展(沖縄タイムス社ホール)
1981年 昭和56年 58 個展(名護画廊)
      第2回やんばる絵画同好会展(県民アートギャラリー)
1982年 昭和57年 59 第一回新生美術展9月7日〜12日(県民アートギャラリー)
1983年 昭和58年 60 夏、老宮古馬(馬之介)を島袋正敏氏から譲り受ける
1984年 昭和59年 61 8月、個展 シリーズ・馬・水彩画展 (名護博物館ギャラリー)
1985年 昭和60年 62 名護市民会館中ホール緞帳「森の調べ」(10.4×6.4m)
1986年 昭和61年 63 8月、山入端一博水彩画集「シリーズ・馬1984」出版
      4月30日、馬之介死去
1987年 昭和62年 64 週刊新潮8月6日号尋ね人欄
1988年 昭和63年 65
1989年 平成1年 66
1990年 平成2年 67 第十回個展(東京銀座・フジヰ画廊モダーン)8月30日〜9月8日
      画集「南の星座」出版
1991年 平成3年 68
1992年 平成4年 69
1993年 平成5年 70
1994年 平成6年 71
1995年 平成7年 72 個展(名護博物館ギャラリー)
1996年 平成8年 73 名護市文化協会展、新生美術展、沖縄県美術家連盟展、沖縄平和美術展、やんばる展に出品、2001年まで
1997年 平成9年 74 5月 個展 (那覇市久茂地 リウボウ美術サロン)
1998年 平成10年 75
1999年 平成11年 76
2000年 平成12年 77
2001年 平成13年 78 新生美術12号表紙掲載(創設20周年記念 新生美術協会)
      5月16日急逝
2002年 平成14年
2003年 平成15年
2004年 平成16年 山入端一博遺作展(名護市民会館中ホール5月12日〜16日)
2005年 平成17年
2006年 平成18年
2007年 平成19年
2008年 平成20年
2009年 平成21年 ギャラリーみんたまあで回顧展 「いっぱくさん」のまなざし展Vol.1開催

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