平良暁志写真展 「普天間の衝撃2004.8.13」
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2009.08.13ー23
「普天間の衝撃2004.8.13」
<開催にあたり>
2004年8月13日、普天間基地に隣接する沖縄国際大学にヘリが墜落した。
耳をつんざくほど大きなサイレンを鳴り響かせ集結した緊急車両。
時折聞こえる爆発音。
何かが焼け焦げ、辺りに立ち込める鼻を突くような異臭。
叫び声と怒号が飛び交う。
夏休みの大学キャンパスと住宅街の平穏は一瞬にして砕け散った。
基地からは多くの米軍人が住宅地になだれ込み、沖縄県警が設置した規制線は米軍人らが占拠し警官や報道関係者を逆に規制した。
何が起きたのか分からない住民たちは不安な顔で事態を見守るしかなかった。
僕は人込みをかき分けながら歩き、墜落現場周辺を撮影した。
墜落現場からちょうど50メートル離れた建物に上った。
階段の踊り場で母親が乳児にミルクをあげていた。
乳児は、母親に抱かれ、静かに目を閉じ、
哺乳びんをしっかりとくわえ、ミルクを飲んでいた。
「これが日常なのですか」…。
小さな命に問われた気がした。小さな命が必死に生きていた。
その時、僕は初めて基地と隣接する「住宅地」の現実を見せつけられた。
2009年8月13日 平良暁志
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